貧家も浄(きよ)く地を払い、貧女も浄く頭を梳(くしけず)れば、景色は艶麗ならずと雖も、気度は自からこれ風雅なり。士君子、一たび窮愁寥落に当るも、奈何ぞ輙ち(すなわ)自から廃止せんや。
あばら屋でも綺麗に掃き清め、貧しい女でも綺麗に髪をとかしておれば、見た目はあでやかでなくとも、気品はもちろん風雅(すてき)である。
一人前の男として、たとい、困窮や失意にみまわれたとしても、どうしてすぐに投げやりにしてよかろうか。
「品」というものは、富んでいるから必ずあるものではなく、貧しくとも日々の心掛けによって備えることができるものだということです。
そうだとするなら、恵まれない環境においてどうして自分を疎かにすることができるでしょうか。
品格を養うために修養するわけではありませんが、庸言庸行(日常の言葉、行い)を正し、慎ましく生活していくことを心掛けたいと思います。