文明の利器は物質的な豊かさと時間的な余裕を生み出すが、人々の怠惰と狡知とともに精神の貧困を招くだろう。
むかしの素朴な生活のなかで培われた健康な活力と素朴な人間味とを、ふたたび取り戻す必要がある。
さかしらの知恵と欲望に責め立てられて、外に向って駆け出すところに、人間の不幸が生まれのだ。(老子57章)
今から2000年以上昔の話です。
2000年以上経った現在、訴えられていることは何も変わっていないようです。
文明の利器が人々の本当の幸福というものを生み出すには至ってないからでしょうか。
火という道具を得たときの感動は、ロケットで宇宙を行き来できるようになること以上だったと想像します。
絵を書き、それが記号になり、言葉になり、コミュニケーションを始め、生物的にはとてつもなく弱かった人類が、地球上でここまで躍進したことは凄いことです。
文明が人間を人間たらしめている理(ことわり)のひとつかもしれません。
しかし、まだ人間はその文明や利器との付き合い方が上手くありません。
自然との付き合い。人が生み出す非自然との付き合い。
いつの日にか人類がその中庸を得ることを夢見て、今できることを日々精進していきたいと思いました。