佐藤一斎に学ぶ 諫言二則(忠告するとき、されるときのあり方)

70、諫言二則 その一

佐藤一斎凡そ人を諫めんと欲するには、唯だ一団の誠意、言に溢るる有るのみ。
苟くも一忿疾(ふんしつ)の心を挟まば、諫めは決して入らじ。

人に忠告しようとするには、熱誠が言葉に溢れて来るようでなければだめだ。
かりそめにも、腹を立てたり、憎むような心が少しでもあれば、忠告は相手の心に入るものではない。

71、諫言二則 その二

佐藤一斎諫(いさめ)を聞く者は、固(も)と須(すべか)らく虚懐なるべし。
諫を進むる者も亦須らく虚懐なるべし。

忠告を聞く者は、わだかまりのない心で聞かなければいけない。
また、忠告をする人も、誠心誠意をつくし、少しもわだかまりの心があってはいけない。

諫言というのは、話すときも、聞くときも、虚心坦懐、わだかまりのない、
素直な状態でなければいけないというように一斎先生は説いています。

ついつい、嫌味っぽく言ってしまったり、誠意にかけ、
腹を立てた勢いで物事を言ってしまったり、そんなことが間々あります。

話を聞く際にも、そんなことは言われなくてもわかっています。
と言わんばかりの心の態度のことがあったりします。

それでは、駄目だとわかっていても、つい態度として出てしまうのは、
まだまだ未熟なんだと気付かされます。

敵意を抱かず、わだかまりも持たず、
素直な気持ちで生活しなければと改めて思いました。


言志四録(1) 言志録 (講談社学術文庫)