佐藤一斎に学ぶ 失ってはならない拠り所

119、己を恃(たの)むべし

佐藤一斎およそ、大丈夫たるものは、自分自身にある者をたのむべきで、
他人の智慧や財力、権力などをたのみにしては何ができようか。
天を動かし、地を驚かすような大事業も、すべて、己一個より造りだされるものである。

仏教での一話。
弟子の阿難が、釈尊の最後が間近いことを知って、
「私はこのさき、誰に頼ったらよいのでしょうか」と泣きながら訴えた。
釈尊は言われた、「阿難よ、汝自らを灯火とし、汝自らを拠り所とせよ。
他を拠り所とするな。真理を灯火とし、真理を拠り所とせよ
」と。

また、法句経では以下のように歌っています。
「おのれこそ おのれのよるべ 他の誰に たよられようぞ
よくととのえし おのれこそ まこと得難き よるべなれ
」

「よくととのえられた己」は、「真理」と同様に「拠り所」となりえる
と言っているのだと解釈しました。

120、己を失えば

佐藤一斎己を失えば、友人を失う。友人を失えば、物を失う(何もなくなってしまう)。

自分の志した生き方を失うということは、友の信頼を失うことであり、
全てを失うことだと心得、己を見失うことのないよう、日々内省し、
どうやって生きたら、より良くなれるか工夫したいと改めて思いました。

頼るべきは人ではなく、自分であり、自分を頼るには、
頼りになるべき自分自身を作り上げなければなりません。
自分が自分に嘘を付いているようでは、自分を頼れる道理もありません。

心を正し、身を修めること、家を斉えることを意識し、
生活していきたいと思いました。

言志四録(1) 言志録 (講談社学術文庫)