佐藤一斎に学ぶ 欲を内に留めること

112、欲を漏らすな

佐藤一斎草木が生気があって、日に伸び茂るのは、草木の欲である。
草木の枝葉が伸びるにまかせれば、欲が漏れる。
だから、枝葉を切れば、生気が根に返って、幹が太くなる。
人間も身体の欲にまかせると欲が漏れる。
欲が漏れると、精神が消耗して、霊妙な働きができなくなる。
故に、欲が外に漏れるのを防げば、生気が内に蓄えられて、
心は霊妙な働きをし、身体も健康である。

113、欲をふさぐ

佐藤一斎鍋のなかの湯が蒸発して、湯気となる。
この湯気が外に漏れて出ると湯は少なくなる。
蓋でこれをふさぐと、湯気は外に漏れないで、露となり、滴り落ちて、湯は減らない。
人もよく欲をふさぐと、心も体も十分に養われることも、これと同様である。

これは、前々からそうだなと感じることがあります。

とある芸術家も欲を外に出していると、いい作品が作れない、と言っていました。
しっかり本を読んだわけではないので定かではありませんが、
フロイトもそんなことを言っていたような気がします。

欲が過ぎ、それを適当なことで満たしているときは、
今まで、溜めていたエネルギーが外にどんどん出ていってしまうような感覚があります。

そんな意味からも欲は内に留め、己を律することの意味があるのだろうと思いました。

欲に左右される人生ではなく、我欲は内に留め、
大欲、公欲に転化させ、世のため人のためのエネルギーとして使っていきたいと思います。

言志四録(1) 言志録 (講談社学術文庫)