
広田弘毅元総理が、外務省欧米局長であった頃、時の総理の忌諱に触れて、その要職からオランダ公使に転任させられたことがあったそうです。
当時、オランダは日本と通商関係がなかったので、この人事は左遷です。
それで僚友が心配して彼を慰めたら、彼は色紙に、次の狂句を書いて皆に応えています。
「風ぐるま 風が吹くまで 昼寝かな」
風ぐるまはどんなに精巧でも、エンジンを備えていないので、自分で回ることができません。どうしても風を待たなければならない。
人間はとかく、自惚れが強いもので、自分の力で何でもできると思ってしまいがちですが、仏教思想で言うと、縁がなければ人間は一人では何も出来ません。
風ぐるまがどんなに精巧であっても、風という縁がなければ回らないのと同じように。
しかし、広田氏はただ昼寝をしていたのではなく、その間にせっせと働き、外交資料を集めて勉強したりと、それが後のソ連大使へと繋がったということでした。
また、松下幸之助翁も不況真っ只中で何をやっても売れないとき、「売れないときに、無理して売ったらいかん。」と言ったそうです。
その時は、順調に行っていたときに出来なかった諸々の準備や反省、または教育をその期間にするのだと。
積極的な「待ち」という姿勢、我慢の心、感謝の心、ご縁を大切にし、どんなときも学び続ける精神を養いたいと思いました。
(参考:致知2009年4月号)