尊徳先生は、以下のように贅沢は生涯の大損ということを説明しています。
いくら財産が豊かで位が高くても、質素に暮らし、
驕った贅沢な生活を家法の中で厳しく禁じておかなければならない。
なぜなら、奢侈は、欲望によって利を貪る気持ちを増長させ、慈善の心も失わせてしまう。
そして自然に欲深くなり、ケチくさくなって、仕事の上でも不正を働くようになり、
その結果、災いも生じてくるのである。これは恐るべきことだ。「論語」に「たとえ周公ほどの立派な才能があったとしても、傲慢でケチなら、
その他はどんなことでも見るに足りない」とある。家法において質素に暮らすことを定め、良くそれを守り、驕った贅沢な生活が習慣とならぬよう、
食事はご飯と汁物、着物は木綿とするのが、自らの身を助けるのだという真理を忘れてはならない。
(参考:現代語抄訳 二宮翁夜話―人生を豊かにする智恵の言葉)
確かに、立身出世を果した人物には、質素な人が多いように感じます。
例えば、以前ご紹介した安田グループ創始者、安田善次郎氏は、この言葉の通り、
終生質素倹約に生き、着物は木綿だったと言います。
また、先日、会津藩校日新館にて論語の講義に出席しましたが、
若松ガス創始者の高木先生も当日着ていた背広は30年着ているとおっしゃっておりました。
(二宮尊徳のような生き方を見習っているとのこと。)
尊徳先生は、さらに以下のように続けています。
何事も習慣となり、それが平常のことになってしまっては仕方がないものだ。
遊楽に慣れてしまえばおもしろいこともなくなり、うまい物に慣れてしまえば、
うまい物もなくなってしまうだろう。
結局これは、自分で自分の喜びや楽しみを減らしてしまっているようなものだ。
毎日勤労する者には、朔望(一日と十五日)の休日も楽しみであり、
盆や正月になればそれはもう大きな楽しみである。
こんなふうに休日が楽しみになるのは、平日の勤労に慣れているからである。
この道理を明らかにして、滅亡の根本原因を取り除かなければならない。
そして若い者は、酒を飲むのも、煙草を吸うのも、
月に四、五回に限定して、酒好き、煙草好きになってはならない。
それに慣れて酒好き、煙草好きが癖になっては、生涯の大損である。
よく慎みなさい。
滅亡の原因となる習慣を減らし、無くして、
癖にならないように慎まなければならないと説かれています。
身を滅ぼすようなことが癖になってはいないか?
身を助けることが疎かになってはいないか?
毎日内省しなければならないと思いました。
※若い者は…のくだり、ドキッとさせられました(汗
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現代語抄訳 二宮翁夜話―人生を豊かにする智恵の言葉 渡辺 毅 |

