読むようであって読まない。読まないようであって読む。

2009 年 11 月 13 日

俗に本は読めと言われます。
現代は特に活字離れが激しく、どんな本でもとにかく字を読めと言われています。

本を読むことで知識・情報が増えるし、色々な人の体験を擬似体験することもできます。
感受性が養われたりするかもしれません。
字を読むことで脳に色々な刺激が与えられ、脳力がアップするかもしれません。

しかし、本を読まなければ大成しないのかというと、そうともいいきれません。
読まなくても大成する人は大成します。

松下幸之助翁は特に好例だと思います。
※かといって、全然本を読まなかったわけではありません。

「家康は家康、自分は自分」

山岡荘八という人が書いた「徳川家康」という家康の伝記がありました。
この伝記は、当時世の多くの経営幹部が読んでいる実業会の流行本でした。
幸之助翁の知人が翁に、この伝記は非常にためになるから読んだほうがいいと言いました。

しかし、幸之助翁は断りました。
ただ「面白いから読め」というのなら読むが、「ためになるから読め」というのでは読まないということです。

なぜか。

翁曰く「家康にしかできんことが書いてあんのやろう。家康でない者が家康のとおりしたら失敗するやないか。だからおれはもう読む必要はないと、私は思う」と。

本を読み、これはためになるからそのとおり―

となると、これはもう失敗してしまうと翁は仰っています。
「本を読むのがいけない」というより、「鵜呑みにするのがいけない」ということです。

いい方法はこれっきりだ。
と思考が凝り固まってしまうのがいけないことだということです。

本を読むことは非常に大切だと思います。
先人の叡智の結晶です。

しかし、それをどう選択しどう取り入れていくか。
また、どう腹に落とし血肉に変えていくか。
これが重要です。

そして、何より。自分の頭で考えること。
自分の頭で考えて導き出したものは、百冊、千冊の本に勝るものだと思っています。

例えば、朝の掃除がいいらしい。ということを本で読んで実践するより、自分はどうやったら成長できるかと真剣に考えて、その結果、朝の掃除はどうだろうか。よしやってみよう。となったほうが、同じ行動でも力になっていく度合いが違うのだと思います。

読むようであって読まない。読まないようであって読む。
聞くようであって聞かない。聞かないようであって聞く。
翁はこれを「融通無碍」と仰っておりました。

本は参考と言う形でどんどん有意義だと思われるものを取り込み、ひとつの意見に執着することなく血肉としていき、終始自分の頭でしっかりと考えて行動する。
重要なことだと思いました。

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追伸
平成21年12月3日に松下幸之助に学ぶ勉強会があります。
良かったら是非どうぞ。
→「人に学ぶ人間学 第4回 松下幸之助

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