2009年11月

菜根譚に学ぶ「100でも0でもいけないこと」

完名美節は、宜しく独り任ずべからず。
些かを分って人に与うれば、以て害を遠ざけ身を全うすべし。
辱行汚名は、宜しく全く推すべからず。
些かを引いて己に帰すれば、以て光を韜み徳を養うべし。

参考:菜根譚 (タチバナ教養文庫) 吉田公平

功績や名声は独り占めにするものではない。
少しは人にも分かち与えれば、危害を遠ざけ身を全うできる。
失敗や汚名をすべて他人にかぶせてはならぬ。
少しは自分も引き受ければ、才能をひけらかさずに人格を磨くことができる。

人間として未熟な自分は、つい自分が成しえた事を自分のみの成果として人に誇ってしまいそうですが、それはいけないと。
また、恥ずかしい行為は、つい人のせいにして自分は全く関係ないと逃げてしまいそうですが、それもまたいけないと。

成功は大きくなればなるほど独り占めしたくなるのが人間の性。
失敗は大きくなればなるほど人任せにしたくなるのが人間の性。

しかし、その性に流されず、傲慢な気持ちや臆病な気持ちを自覚し、脇によける強さを身につけたいと思います。

菜根譚 (講談社学術文庫)
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菜根譚に学ぶ「ゆずるこころ」

経路の窄(せま)き処は、一歩を留めて人の行くに与え、滋味の濃(こま)やかなる的(もの)は、三分を減じて人の嗜むに譲る。これは是れ世を渉る一極の安楽の法なり。

参考:菜根譚 (タチバナ教養文庫) 吉田公平

狭い小みちでは、一歩ゆずって、人を行かせてやる。
美味しい食べ物は、三分を減らして、人に食べさせる。
これこそ、世渡りのもっとも安楽な方法である。

鍵山秀三郎先生の講演で「道は生涯ゆずりきっても、大した距離にはならないでしょう。」と仰っておりました。一回たかだか数十センチが、当人の人生をどのように左右するのか。感慨深いお言葉でした。

また、師匠の一人である、以前勤めていた会社のボスは、「ガキとダンナの違い」で、食べ物を譲り合うたとえ話をよくしていました。

ここにとても長いお箸があります。
とても長いので、自分の口へは運べません。
しかし、料理はお箸を使ってでしか食べられません。
ガキは必死に自分の口へ運ぼうと苦心しますが、一向に食べることができません。
一方ダンナは、お互いの口に料理を運びあって、喜びを分かちあっています。
餓鬼ではなく、旦那になりましょう。と。

仏教では6大実践徳目の一つ「布施」に始まり、有財、無財の様々な施しがあります。
二宮尊徳もまた「推譲」を4大実践徳目の一つとして重要視しました。

ゆずる行為とは、自らを慎み律して、他人を思いやる行為です。

自分を強くし、他を思いやれる。
そんな人間になっていきたいと思います。

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神奇卓異は至人にあらず

醲肥辛甘(じょうひしんかん)は真味(しんみ)に非ず。
真味は只だこれ淡なり。
神奇卓異(しんきたくい)は至人(しじん)に非ず。
至人は只だこれ常なり。

参考:菜根譚 (タチバナ教養文庫) 吉田公平

濃い酒や肥えた肉、辛いものや甘いものなど濃厚(クドイ)味は、ほんものの味(うまさ)ではない。ほんものの味は、水や空気のように淡白なものである。同様に、人並みはずれた特異な才人は、至人ではない。至人とは、ただ平凡な人である。人間も人並はずれたすばらしい才能の持ち主が、その道を極めた達人とは必ずしも言えない。達人とは、ごく普通の人の中にいるものである。

昔は偉人とは才知に溢れた人のことだと思っていましたが、今ではだんだんこのことがわかってきた(ような)気がします。

大きな成果を残す人は、一つのことに集中・覚悟して、それに一身を捧げて追求することができた人だと思います。

森信三先生も以下のように仰っております。

」を知るとは自己の限界の自覚ともいえる。随って人間も「分」を自覚してから以後の歩みこそほんものになる。だが才能のある人ほど、その関心が多角的ゆえ「分」の自覚に入るのが困難であり、かつ遅れがちである。

自己の限界を知ることで、自分は才人ではなく至人であり、だからこそ、一つの志に生きることを覚悟することができるのだと思います。そして、覚悟の決まった人間は偉大な成果を残すことができるのだと思います。

成果は覚悟に比例するものだと思っています。

自己の限界というものも、様々なことにチャレンジした結果、認識されるものであるはずなので、安易に自己の限界を決めることはできません。人は自分を実際以上に買いかぶるものではありますが、買いかぶってチャレンジした結果、自分の限界を認識していけたらと思います。そして限界の認識が「スタート」地点なのだと心得、ともかく、早くそのスタート地点に立つ努力・チャレンジを重ねなければと思います。

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生活の簡素化―シンプルライフ

清貧という言葉、姿勢に憧れを感じ続ける日々。
それこそ禅のような生活。

未だ実現せず。

物事を一つひとつ丁寧にこなそうと考えたとき、こんなに小さな我が家でも物に溢れいていることに気付きます。

もともと余計な物は持たない主義ですが、それでも気の回りきらない物や事が出てきます。

玄関、台所、居間、寝室、押入れ。
洗面所にお風呂にトイレ。
PCの中身。
頭の中身。

食事や服装なんかもシンプルだと尚良しです。
出るも入るも少ないにこしたことはありません。

少しでも必要のないもの。
あったら便利だけど、無くても困らないもの。

そういったものをさらに少なくしていきたいと思います。

身の回りがこざっぱりするとそれだけで気持ちが良いです。
シンプルライフ。無駄なもののないさっぱりとした生活を心掛けたいと思います。

そういう意味では、そろそろ年末。
色々棚卸しする準備を始めるにはちょうどいいのかと思います。

ということで、手始めに、デュアルディスプレイをそろそろ卒業したいと思います。。。
だって、今大きいディスプレイ驚くほど安いからね(笑

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人間の煩悩について諸々―森信三「一語千鈞」

名誉や利益、飲食や性欲など。人間の煩悩について森信三先生の言葉をまとめてみました。

自分の持っている凡ての知識や経験を、根本的に統一するためには、ある意味では現世的な欲望を捨てねばなりません。そしてこの点こそ、実際問題としては実に容易でないばかりか、この点を真に理解することさえ、実際には容易なことではないのです。

多くの相対的なものを統一するには、一度はそうした相対的な立場を超える必要があるわけです。「超える」というのは、主体的には一応それらを「捨て」ねばならぬ―ということです。

名・利―即ち名誉とか利益とかいうものは、本当は相対的なもの、すなわち真に絶対的なたよりになるものではないにも拘らず、しかもそのことが真に解るためには、われわれ人間は、まさに「死」に近いほどの苦悩を味わいつつ、これらを通過しなければならぬわけです。

人間はいくつになっても、名と利の誘惑が恐ろしい。有名になったり、お金が出来ると、よほどの人でも、ともすれば心に「ゆるみ」が生じる。

人間のシマリは、まず飲食の慎みから―。
次には無駄づかいをしない事。そして最後が異性への慎み。

人間のシマリは、「性」に対するシマリをもって最深とする。しかも異性に対する用心は、何といっても接近しないことである。如何なる人でも近づけば過ちなきを保し難いのが、「性」というものの深さであり、その恐ろしさである。

性欲の萎えた人間に偉大な仕事はできない。
―それと共に、みだりに性欲を漏らす者にも大きな仕事はできぬ。

人間はこの肉体をもっている限り、煩悩の徹底的な値切りは不可能である。そしてこの一事が心根に徹して分かることこそ、真の「救い」といってよかろう。

煩悩の多くは相対的であり、絶対的なものではないから、一度それらを捨てる必要がある。しかし、人間は煩悩を捨てきれるものではないし、死ぬほどの努力でもって、捨て、超えようとした先に、捨てられるものではない、超えられるものではないと悟る。すると、それらを捨てようとするのではなく、見ないようにするのでもなく、適当な距離において、生きていくことが大切だと仰っているのではないかと思います。

近づきすぎると危険であり、遠すぎると力は沸いてこない。
この扱い方、この距離感が非常に難しいのだと思います。

名・利を手にした場合、自分の心のあり方がどう変化するか今はなかなか想像できませんが、そうなった場合でもいつでもこの千鈞の言葉、金言を思い出し、自分を戒め、謹んでおれるようにありたいと願います。

本当の武士はまさにこの通り生きてこられた人たちだと思います。

この難しい命題への実践者、実現者が数多く存在した日本という国に誇りを持つと同時に、自分もまたその一人の実践者でありたいと思います。

森信三 一語千鈞
寺田 一清
致知出版社 2002-11
star森信三先生・・・至福のコトバ

ありがたい 以上に もったいない―森信三「一語千鈞」

「生」の刻々の瞬間から「死」の一瞬にいたるまで、われらの心臓と呼吸は瞬時といえども留まらない。これは「ありがたい」という程度の言葉で尽くせることではない。「もったいない」と言っても「かたじけない」といってもまだ足りない。文字通り「不可称・不可説」である。

森信三「一語千鈞」より。

今まで「生かされている」ということを忘れて何の感謝もせず、それが当たり前のようにのうのうと生きてきた気がします。

「当たり前」だと思っていることに感謝はできません。もったいない、かたじけないなど思いもよりません。しかし、そんな状態では生の真の充実もありえないことだと思います。

寝ても覚めても呼吸をし、心臓は動き、意識せずとも身体全体が自分を生かしてくれている。それは天から与えられたものだ。ということのありがたさ。もったいなさ。かたじけなさ。
不可称不可説不可思議。

天から与えられた受け持ち(天分または分)を確信していない身としては、まずは、その自覚に勤め、感謝の中で精進していくほかなしと心得、日々生活したいと思います。

森信三 一語千鈞
寺田 一清
致知出版社 2002-11
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仕事に処する三つ秘訣―森信三「一語千鈞」

森信三先生曰く、仕事には三つの秘訣があると仰っております。

一つ、思い切って、とにかく手をつける。「即今着手

二つ、一度着手した仕事は二等分線を越えるまでは「一気呵成」にやってのけること。

三つ、仕上げはまず80点級のつもりで、絶対期限を遅らさないこと。この良い意味の「拙速主義」が大事です。

三つともある程度、心掛けていることではありますが、一番難しいのが一つ目の「即今着手」だと思っています。着手さえ出来れば、一気にある程度まで仕上げることは出来ますが、着手となると「よし!」という気合が必要です。

仕事は追われるよりも、追いかけろ。と良く言いますが、自分のテンション、モチベーションの波をよく解し、次々来る良い波にあわせて仕事をポンポンと即今乗せられるよう訓練しなければなりません。

優先順位の高い仕事にあわせて、波を待つのではなく、来るべくして来る波を予測して、その波に乗りやすい仕事を順に並べておく必要があるのかなと思いました。

森信三 一語千鈞
寺田 一清
致知出版社 2002-11
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目に見えるものを正せずして―森信三「一語千鈞」

森信三先生曰く、、、

学校の再建はまず紙屑を拾うことから―。
次にクツ箱のクツのかかとが揃うように。真の教育は、こうした眼前の瑣事からスタートすることを知らねば、一校主催者たるの資格なし。

眼に見える物さえ正せない程度で、刻々に転変して止まぬ人間の心の洞察など、出来ようはずがない。

心を正そうとしたら、先ずカラダを正し、物を整えることから始めねばならぬ。クツを揃えること一つが、いかに重大な意味をもつか分からぬような人間は、論ずるに足りない。

偉大な教育者であった森信三先生一語千鈞の「生き方」から抜粋。

ゴミを拾う、クツを揃える。全て子供の頃に躾けられたことですが、いつの間にかゴミが見えたり見えなかったり、クツが意識されたりされなくなったり、と。非常に不確かな意識で生きていることに気付かされます。

ゴミは直ちに拾うもの。クツは必ず揃えるもの。
イスは机の下に戻すもの。トは開けたら閉めるもの。
一つ一つ目の前のことにどれだけ意識が働いているか。

改めて注意が必要だと感じました。

これは学校教育というだけでなく、一企業、一社会としても必要なことだということは、先の鍵山秀三郎氏が既に証明しています。

こうして考えてみると、自分は何を「意識」して生きているのだろうと呆れてしまうほどですが、些細なことから始めたいと思います。

追伸
物が多すぎるといけません。意識が散漫してしまいます。
身辺はシンプルで簡潔であってこそ、一つ一つにまで気を配ることが出来るのではないかと思います。

また、現代は何でもかんでも自動化されすぎていて、やりっぱなしでも後始末がされている状態というのも一つの原因なのかもしれません。
そう考えてみると、便利というのも過ぎると恐ろしいものがあります。

森信三 一語千鈞
寺田 一清
致知出版社 2002-11
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鍵山秀三郎氏の講演を聞いて

土曜、日本論語研究会が主催する勉強会に出席してきました。

今回のゲストスピーカーはイエローハットの創業者である鍵山秀三郎氏でした。
日本を美しくする会」の活動でトイレ掃除が有名です。
(会津にもあったんですね!!→「会津掃除に学ぶ会」)

自分さえ良ければいいという人間が多くなった」というご指摘から講演が始まり、ご自身の苦労された体験を交えながら人が人であるために大切なことを色々お話されました。

お話の中で印象的だった点を列挙します。

人間の美徳(下村湖人「青年の思索のために」)

一、忍耐
一、謙譲
一、調和
一、勇氣

これらの土台は「」と「思いやり」です。
この土台がなくなってしまうと、それぞれ次のような悪徳に落ちてしまいます。

一、忍耐→怨恨
一、謙譲→卑屈
一、調和→妥協
一、勇氣→粗暴

孟子の四端

一、惻隠…思いやりの心
一、羞悪…不正や悪を憎む心
一、辞譲…譲って謙る心
一、是非…正しいこと、間違っていることを判断する心

この四つを備えた人を人というのであって、これらの心がなければそれは人と呼べないのではないか。

自らを律する

人は車と同じで、いくら能力が高くても制御できなければ凶器に過ぎない。

いちいち法律や規則、規約に照らし合わせれていたのではもうお終いなのであって、照らし合わせられる前にそれ以上厳しく自分を律して(制御して)いなければならない。

教育の三大原則

鍵山先生、森信三先生の書に習いて曰く、教育の原則は三点。
一、時を守る
一、場を清める
一、礼を正す

人はどうしたら救われるか

人というものは、自分のことしか考えていないと不安が大きくなる。
人のことを考えて行動が出来ると不安は小さくなる。

辛い状況に置かれたとき、助かる道は二つ。
一つ、さらに辛い思いをしている人、困っている人を救っていくこと。
一つ、楽しみを先に延ばすこと。(楽しみが先にあると心にゆとりが出来るとのこと)

講演を終えて

とても優しく穏やかな語り口はまるで生き仏のようでした。聞いているだけで心が洗われていきます。が、聞いただけではやはりダメですね…。これらの鍵山先生の言葉を心に刻み、日々の生活に落とし込んでいければと思います。

鍵山先生大推薦。
PHPに直接依頼し、絶版になっていたものが先々月出版されました。

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読むようであって読まない。読まないようであって読む。

俗に本は読めと言われます。
現代は特に活字離れが激しく、どんな本でもとにかく字を読めと言われています。

本を読むことで知識・情報が増えるし、色々な人の体験を擬似体験することもできます。
感受性が養われたりするかもしれません。
字を読むことで脳に色々な刺激が与えられ、脳力がアップするかもしれません。

しかし、本を読まなければ大成しないのかというと、そうともいいきれません。
読まなくても大成する人は大成します。

松下幸之助翁は特に好例だと思います。
※かといって、全然本を読まなかったわけではありません。

「家康は家康、自分は自分」

山岡荘八という人が書いた「徳川家康」という家康の伝記がありました。
この伝記は、当時世の多くの経営幹部が読んでいる実業会の流行本でした。
幸之助翁の知人が翁に、この伝記は非常にためになるから読んだほうがいいと言いました。

しかし、幸之助翁は断りました。
ただ「面白いから読め」というのなら読むが、「ためになるから読め」というのでは読まないということです。

なぜか。

翁曰く「家康にしかできんことが書いてあんのやろう。家康でない者が家康のとおりしたら失敗するやないか。だからおれはもう読む必要はないと、私は思う」と。

本を読み、これはためになるからそのとおり―

となると、これはもう失敗してしまうと翁は仰っています。
「本を読むのがいけない」というより、「鵜呑みにするのがいけない」ということです。

いい方法はこれっきりだ。
と思考が凝り固まってしまうのがいけないことだということです。

本を読むことは非常に大切だと思います。
先人の叡智の結晶です。

しかし、それをどう選択しどう取り入れていくか。
また、どう腹に落とし血肉に変えていくか。
これが重要です。

そして、何より。自分の頭で考えること。
自分の頭で考えて導き出したものは、百冊、千冊の本に勝るものだと思っています。

例えば、朝の掃除がいいらしい。ということを本で読んで実践するより、自分はどうやったら成長できるかと真剣に考えて、その結果、朝の掃除はどうだろうか。よしやってみよう。となったほうが、同じ行動でも力になっていく度合いが違うのだと思います。

読むようであって読まない。読まないようであって読む。
聞くようであって聞かない。聞かないようであって聞く。
翁はこれを「融通無碍」と仰っておりました。

本は参考と言う形でどんどん有意義だと思われるものを取り込み、ひとつの意見に執着することなく血肉としていき、終始自分の頭でしっかりと考えて行動する。
重要なことだと思いました。

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追伸
平成21年12月3日に松下幸之助に学ぶ勉強会があります。
良かったら是非どうぞ。
→「人に学ぶ人間学 第4回 松下幸之助

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