二宮尊徳の教え 其の七 道徳の根本

人と刃物をやり取りするときは、刃の部分を自分のほうに向けて、柄の部分を相手に向けて差し出すが、これが道徳の根本というものである。これをよく押し広めていくなら、道徳は完全なものになるだろう。人々がこのような意識を何事にも押し広めて行動すれば、世の中は平穏になるだろう。

(参考:現代語抄訳 二宮翁夜話―人生を豊かにする智恵の言葉

道徳の根本”と言うと何だか難しいことのような気がしますが、実は皆小さい頃に教わっている、刃物のやり取りの原理なのだと教えています。

刃先を自分のほうにして、相手に向けないというのは、万一間違いがあったとき、わが身を傷つけても、相手には傷をつけないようにしようとする心から発している。すべてこのように心得て、自分が損をしても、他人には損をさせまい、自分の名誉が損なわれても、他人の名誉は傷つけまい、という精神なら、道徳の根本は完全に確立したといえよう。これから先は、この心を押し広めていくだけだ。

刃先を自分のほうに向けて、自分が傷を負うような人を見たことがありません。名誉や損得も同じことなのかもしれません。しかし、名誉損得となるとどうしても「自分が」という心が働いてしまうのは、まだ道徳の根本が確立しきっていない証拠だと思い知らされました。目に見える傷は、させまいとしますが、目に見えない傷も他人にさせてなるものか、と同様の心を押し広めていきたいと思います。


現代語抄訳 二宮翁夜話―人生を豊かにする智恵の言葉

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