二宮尊徳の教え 其の二 柿を選ぶのにも

世の中を見てみなさい。一銭の柿を買うのにも二銭の梨を買うのにも、芯がまっすぐでキズのないものを選んで取るだろう。また、茶碗ひとつ買うにも、色のいいもの形のよいものを選び撫でてみて、音を鳴らして聞き、選りに選んで取るものだ。世の中の人は、みなそうだ。柿や梨でさえ、ここまでして選ぶのだ。ならば、人に選ばれて、婿や嫁となる者、あるいは仕官して立身を願う者は、自分の身にキズがあっては、人が取ってくれないのは当然のことだ。自分がキズをたくさん持っているのに、上に立つ人に用いられなかったとき「自分を見る目がない」などと上の人を悪くいって非難するのは、大きな間違いである。自らを省みよ。必ず自分の身にキズがあるからに違いない。

(参考:現代語抄訳 二宮翁夜話―人生を豊かにする智恵の言葉

このように説いています。非常に分かりやすい説明です。
どんなに安い買い物をするときにでも、下手なものは選ばないように用心するのが人の性。ましてや、人を選ぶ際は尚更だと心得なければなりません。どんな場合でも、原因は必ず自分にあるものです。

人の「身のキズ」とは、例えば、酒が好きだとか、酒の上での不埒だとか、放蕩だとか、勝負事が好きだとか、惰弱だとか、無芸だとかが挙げられるだろう。何か一つか二つのキズがあるならば、買い手がないのも当然だ。
古語(大学:伝6章)に「心の中の真相は、必ず外にあらわれる」とあるが、キズがなくまっすぐな柿が売れないはずがない。逆に、たとえ草深い中でも、山芋があれば、人がすぐに見つけて捨ててはおかない。また、泥深い水中にいるウナギやドジョウも、必ず人が見つけて捕えるのが世の中だ。そうであれば、内に真心があれば、それが外にあらわれない道理があるはずがない。この道理をよく心得て、自分の身にキズがつかないように心がけなければならない。

身のキズという点において、とても耳の痛い話でありますが、なるほどそうだ。と、しっくりきます。自分で自分を正しく品定めする力(客観的な視点)を養い、キズも個性の内などと自分を甘やかすことなく、心身を整える必要があると思いました。
人というものは、良いものであればどんなものでも貪欲に探し当てます。キズ一つ無い我が身であれば、世にあらわれない道理がないというのは、励み甲斐のあることではないかと思います。


現代語抄訳 二宮翁夜話―人生を豊かにする智恵の言葉

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