遂げずばやまじの執念

現在有名な国語辞書として「広辞苑」や「大辞林」などがあります。その広辞苑や大辞林の大元となった辞書がありました。

日本初の近代的国語辞書「言海」です。

編纂者は国語学者の大槻文彦氏。
江戸出身で、兄は漢学者、父は儒学者、祖父は日本の蘭学第一人者の大槻玄沢を持ち、幼い頃から漢学、英文、蘭学を教わりました。

大槻文彦氏が文部省に勤めて3年目、国語辞書の編纂を任され、10年の歳月をかけてようやく完成させたものが「言海」でした。しかし、稿本を文部省へ提出するも、何の反応もなく、出版される気配もないまま、非職(目下なすべき仕事のない官吏に給料を出して待機させる制度)を命じられます。

―国語の統一は、一国家の独立の標識である。

大槻氏は以上のように述べ、国語の辞書と文法の確立は一民族の独立の証しであり、諸外国と肩を並べていくには、必要不可欠と考えていました。

稿本が眠らされている中、大槻氏は文部省を2年がかりで説得し、下げ渡してもらい、自費を投じて出版することを決めました。

手元に戻った稿本にさらに手を加え、17年のときを経てようやく完成し出版しました。

「およそ、事業は、みだりに興すことあるべからず、思ひさだめて興すことあらば、遂げずばやまじ、の精神なかるべからず」
(物事はふと思いついた程度で安直に始めてはならない。心に深く決意して、ある事を興すなら、その時は必ず最後までやり遂げよ。)

(参考:致知2009年5月号

という祖父の言葉をずっと胸に秘め、様々な誘惑を断ち切り、その後の生涯も辞書作りにささげました。

事を為すには「遂げずばやまじ」という執念が必要だと思いしらされました。
また、思いつきではない「覚悟」がその執念を持ち続けるには必要だということも改めて学びました。

自分は何をなすのかしっかりと考え、事を起こしたら絶対に途中で諦めることなく生きていきたいと思いました。


言海 (ちくま学芸文庫)

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