インドに仏教を広める日本人・佐々井秀嶺上人

ここ数日の間に2度ほど目、耳にした人物がいましたのでご紹介いたします。

初めてその人物を知ったのが、致知という雑誌での今月号の特集記事。
昨日、禅寺の方丈様とお話をしている際に話題に上がったのが2度目。

インド仏教界の頂点に立つ日本人、佐々井秀嶺上人です。

今年の5月、6月と44年ぶりに日本へ帰国したということで、各種メディアで取材されたり、講演が行われたりしているようです。

方丈様も新潟で行われた講演に出向き拝聴されたとのことでした。

講演を録音したCDと、「男一代菩薩道」という本まで貸して頂いたので、その簡単なまとめをしたいと思います。

インドと言えば、仏教発祥の地。

その地で、仏教を布教している日本人がいるというのは、なんとも不思議なことのように感じます。

インドだけに仏教徒は結構いるのかなと思っていましたが、ヒンドゥー教徒が人口の8割を占め、次いで、イスラム教、キリスト教の順となっています。

仏教徒の数は公式では800万人と発表されており、11億いる人口の中では非常に少数派となっています。

※インドの人口に占める各宗教の割合(2001年国勢調査)
ヒンドゥー教徒80.5%、イスラム教徒13.4%、キリスト教徒2.3%、シク教徒1.9%、 仏教徒0.8%、ジャイナ教徒0.4%

国民の大多数を占めるヒンドゥー教におけるカースト制度の影響は大きく、
3000年前から変わることなく今でも差別が続き、格差が無くならない状態です。

下位カーストが人口の3割を占め、かつ、カーストにすら属さない
不可触民(アウト・カースト)と呼ばれるさらに低い身分の人が1億人以上存在します。

現在のインドでは、多くの差別階級の人間を救うことができません。
インド独立の父ガンジー(バラモン出身)もカーストが前提の思想でありました。

そこで、真の救済を行うべく立ち上がったのが、アウト・カースト出身で初代法務大臣を務めたインド憲法の父、アンベードガル氏です。

ブッダの教えを葬り去ったのは、インドに侵入したアーリア人であり、それは先住民であった自分達をカースト制度の下“奴隷化”するためだった事を知ったアンベードガル氏は、インド本来の宗教である仏教で国民を救おうと決心しました。

アンベードガル氏はカースト制度による身分差別の因習を打破するため、死の2か月前に約50万人の人々共に仏教に集団改宗し、インドにおける仏教復興運動が始まりました。

そのアンベードガル氏の遺志を引き継ぎ、仏教復興運動の中心人物となっているのが佐々井秀嶺上人です。

佐々井秀嶺上人は、中学生の頃に原因不明の病で死にかけ、また様々な業に悩まされ、その後も3度の自殺未遂がありました。
救いを求めて日本各地のお寺を歩き回り、とうとう仏教に救いを見出しました。

数年後、師匠の薦めでタイへ仏教留学しました。
その最中、「龍樹」と名乗る老人からの啓示を与えられました。
インドへ行けということです。

龍樹とはブッダの教えを受け継ぐ14代目の法嗣です。
大乗仏教」を体系化し、「空の思想」を理論化した仏教史上において重要な人物です。

この龍樹菩薩の啓示が、インドで仏教を布教することになるきっかけだと話しています。

それから、インドでの仏教普及活動を自力で始めました。

インドでの仏教普及活動は命懸けです。
ヒンドゥー教徒からの弾圧や迫害は相当とのことで、幾度となく殺されかけたそうです。

それでも、カースト制度の身分差別の実態などを知るほどに、その普及活動は一段と熱を帯び、今ではインド国籍を取得し、インドの仏教指導者にまでなりました。

現在、公式で800万人と発表されている仏教徒の数は、政府の政策で明らかにされていないだけで、実は、3億5千万人はいるということです。

まだまだ、やらねばならぬ使命があるといいます。
この帰国を最後に、もう日本には戻らず、命尽きるまでインドの民のために仏道を貫くとのことでした。

一つの使命の下に、命をかけられるというのは非常に尊いことだと感じました。

自分もこのような大使命の下、この命を使うことができたらと思いました。

そして、大きな使命云々を語る前に、小さな己を磨く努力を絶やしてはならないことも改めて実感しました。

意識を緩めることなく、前進していきたいと思います。

※注意
文章中のインドの数値は参考にする資料によってマチマチで何が本当かわからないのが現状です(汗


男一代菩薩道―インド仏教の頂点に立つ日本人、佐々井秀嶺

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